第18章 私を愛して…✿保科宗四郎✿裏
朝目が覚めて隣で寝ているしろちゃんを起こさないように口付けてご飯の準備を始める。
今日も日勤なのだろうか。日勤と言っても夜遅くまで仕事をしているようなので、私との時間なんてほとんどない。
帰ってきても趣味ばかり。そりゃあ趣味も大事だけど…私の趣味はしろちゃんとイチャイチャすることなのにな。
ご飯を盛り付けてテーブルに運び、しろちゃんを起こしに行く。
「しろちゃん、起きて!ご飯だよ!」
「ん……すまん、言うん忘れとった…今日休み……。」
や・す・み!?
だからもう少し寝たいと!?せっかく作ったご飯も食べないで!?
いや、寝かせますけども。毎日この国を守るために戦っておられるのですから。
「冷めたご飯食べさせたくないな…。」
リビングに戻ってきて、すでに盛り付けてしまった食材をどうしようか悩む。
作ってしまったものは仕方ない、ラップをして冷蔵庫に入れといて、食べると言ったら温めて出せばいい。
出来たてじゃないのは申し訳ないけど。
ご飯を食べてからソファに座り、テーブルに置いてある、昨日しろちゃんが読んでいた本を手に取る。
どんなの読んでるんだろう。
パラパラと読んで無言で元に戻した。
官能小説だ…え、しろちゃんこんなの読んでるの?
いやでも…これだけカバーをつけていて他はほとんど表紙が見えている。
しろちゃんまだ起きて来ないのかなぁ…何時に寝たんだろ。そろそろ10時なるけど…。
寝室に来て、肩を軽く叩きながら声をかける。
「しろちゃん起きて、夜眠れなくなるよ?」
「……ん…つ、ばき…。」
つばき…?誰?
視界の端で彼の手が動いたので見てみると、中指と薬指を曲げてクイックイッと動かしていた。
「……どんな夢見てんだ。浮気か?おい。誰よ、つばきって。」
しろちゃんが私のこと好きじゃないのはわかってる、だから別にそういう相手がいてもおかしくない。
でも、付き合ってるうちはやめて欲しかったな…。