第18章 私を愛して…✿保科宗四郎✿裏
「しろちゃーん…おーい……おーい!…ねぇ!!」
「もう、なんや!僕今、忙しいん、見てわからんのか!」
ソファの上で寛ぎながら本を読む彼氏に構って欲しくて抱きついてみるが、邪魔だと追い払われてしまった。
何よ…いっつも忙しくて家に帰ってこないし、帰ってきたら帰ってきたで本ばっかで全然構ってくれないからいけないんじゃん。
付き合ってる意味あるのかな…。
「私だけ好きみたいでやだ…。」
また本に集中しているしろちゃんには私の呟きなんて聞こえていなかった。
しろちゃん…防衛隊第3部隊副隊長 保科宗四郎。同棲してる私の彼氏。私よりも3歳上。
よし……押してダメなら引いてみろ作戦決行!!
友人に最近ご無沙汰で構ってくれない彼氏をどうしたらいいか聞いたら、好き好きし過ぎなんじゃない?と言われ、抑えてみろと言われたのだ。
私の忍耐力が試されるこの作戦…絶対成功させて、立場を逆転させてみる!
とりあえず今は邪魔されたくみたいだし、都合がいい。
先にお風呂に入り、読書をしているしろちゃんを横目にテレビを見て過ごす。
正直、この作戦が成功するかはわからない、しろちやん淡白だし、付き合い始めた時から私だけが好きみたいな感じたった。
告白したのも私、同棲を切り出したのも私、初めて身体を重ねた時も誘ったのは私。
好きと言われたことなんてない。
日付けが変わっても本を置く気配はないので、すらっと伸びた足に膝掛けを掛けて寝室へと移動した。
「あーあ、同棲しない方がよかったのかな。」
距離が近過ぎるのもダメな気がする。
しろちゃんは完全に私をうざがっている。
いつまで経っても来ないしろちゃんを想いながら、ベッドの端で縮こまって眠った。