第17章 年下上司に愛される✿保科宗四郎✿裏
諦めて歩くと手を握られた。
「ふらふらついていってまいそうやから、家まで送ってくな?」
「大丈夫です。手も離してください。」
「嫌や!ほんまは嫌やないやろ?」
ニヤッと笑う保科くんに溜め息をつき、結局家まで来てしまった。
扉を閉めようとすれば押さえられて、中に入ってくる。
「やなことはせぇへんから、泊まらせて。ええやろ?」
なんなんだこの男は…ここにいること自体が嫌なのだが。
帰ってくださいと言っても動かないので、胸を押して追い出そうとしてもビクともしない。
なんでこの人はこんなに私に構うの…揶揄ってるだけのくせに、遊んでるだけのくせに。
「ちょっと話そうや、な?好きな子の家まで来てそのまま帰るなんて、男やないやん?」
ほら…また揶揄う。
年上を揶揄ってそんな楽しい?
胸に頬を寄せてその温度を感じる。
「嫌いです。」
「その嫌いやめてやぁ、結構ダメージ食らってんねんで。」
本気やないってわかってても嫌やと抱き締められる。
「相変わらず、美影ちゃんは丁度ええサイズしとるなぁ。」
チビと言いたいのか。
それでも目線は保科くんの肩くらいなんだけど。
「誘っとる?でも僕、彼女やないと抱かへんで?」
「誘ってない。彼女にする気もないくせに。」
「する気満々なんやけど…美影ちゃんが答えてくれへんから…何年好き言い続けたらええの?いつなったら受け入れてくれるん?」
信じてくれなかったのはあなたでしょ…また嫌いと呟いて胸に擦り寄る。
嫌いと言うのは簡単なのにな…。