第17章 年下上司に愛される✿保科宗四郎✿裏
トボトボと夜道を歩く。
今日はこのまま歩いて帰ろう、少しすっきりしたい。
「お姉さん、防衛隊の人?この辺だと…第3部隊?亜白隊長ってやっぱ美人なの?…って、お姉さんも綺麗だね。少しお茶でもしない?」
誰…亜白隊長がいいならそっちに行けばいいだろう、私で妥協するな。
「今からですか、さすがに遅くなるので帰ります。」
いいじゃんと私の腕を引く男。これはナンパなのだろうか。
あぁ、確かにいいかもしれない。どうでもいいや。
「どこでお茶するんですか?」
「ちょお待ちぃ!!なんでついて行こうとしてるん!?アホなん!?痛いことされるで!僕みたいに優しくなんかせぇへんぞ!?」
なんでいるの…知らない男とは反対の腕を保科くんに掴まれる。
というか、なんでそんなことを大声で言うんだ。
離してくださいと保科くんに掴まれている腕を力の限り引くがビクともしない。
離してよ…私の気持ち信じてくれないくせに。
「保科副隊長?え、そういう関係?付き合ってるんですか?」
「そのうちそうなる!だからこの子は諦めぇや!」
なんでそうなるのだ、ならないから。そんな関係望んでないくせに。
「痛い…。」
「っ、すまん!」
ボソッと呟けば保科くんはすぐに手を離した。
ナンパ男の方は離さないが、特にこっちは痛くない。
「もういいです。帰るので離してください。」
保科くんがナンパ男の手を離してくれて、私はそのまま逃げるようにその場を立ち去った。
が…保科くんが追いかけてくる。
保科くんが相手ではすぐ追いつかれてしまう。