第17章 年下上司に愛される✿保科宗四郎✿裏
入るでと言う彼を慌てて止める。
何を考えている、女子トイレだぞ。
「はよ出てこんと、無理やり入るからなー。ええねんなー?」
慌ててトイレから出ると、涙を拭くのを忘れていたので、するっと親指で拭かれた。
「そないにイきたかったん?」
なんでこういう時だけ察しが悪いの?
「保科くんなんか嫌い。」
「うっ…今めっちゃ心臓抉られた…好きな子に言われるん泣きそ…。」
私だって信じてもらえないの、泣く程きつかった。
そうやっておどけられるならそこまで効いてないんだろう。その程度の気持ちなのだろう。
私が一番思われたら嫌なことを、私は彼に対して思った。
「では失礼します、保科副隊長。」
まだ行かんでと腕を掴んだ彼を、オペレーションルームに言うと言って脅して逃げた。
副隊長を脅すなんて…後から何されるか…。
どうせ、全部わかっててあんなことを言ってるんだろう。
私が本気で保科くんを好きなことも、なんで逃げたのかも…何もかも知ってて、あの人はあんな態度を取る。
私とどうにかなるつもりなんてないんでしょ。
急いで帰る準備をして基地を出た。