第16章 むっつりの彼氏出来ました✿轟焦凍✿
ゆっくり轟くんに近付いて肩に手をかけるとビクッと跳ねる。
そのまま耳に顔を近付けた。
まだ扉の前にいるかも…聞き耳をたてているかも…聞かれたくない。
「好き…轟くんが好き。」
すぐに耳に手をあててバッと振り向く。
「あ……わりぃ、いきなり耳元で喋るから…クラスメイトだしな、俺も三浦が好きだ。」
違う…なんで伝わらないの、こんな勇気を出したのに…。
「違うの…そういう好きじゃなくて…轟くんの彼女になりたい。」
離れた轟くんにまた近付き、服を掴んでこれ以上離れないようにして耳元で囁く。
轟くんにだけ聞いて欲しい、私の気持ち。
「まっ、待ってくれ!わかった、わかったから!あんま近付くな……触りたくなる。」
それって、私のこと…。
「触っていいよ。轟くんが私のこと好きって言ってくれたら…。」
黙ってしまった轟くんを少し見つめてから諦めた。
期待したけど、轟くんは私を好きなわけじゃない。
服から手を離して部屋から出ていこうと歩き出すと、突然後ろから抱き締められて、その手は胸を掴んでいる。
なんという、ラッキースケベ……いや、これ…わかってて触ってる。揉まれている。
「や、やだっ!だって轟くん言ってくれないもん!やめてっ!!」
「ごめん、好きだ。もう我慢出来ない。」