第16章 むっつりの彼氏出来ました✿轟焦凍✿
「くぅうううっ、羨ましいすぎるぜ、轟ぃい!!」
「待って、峰田くん!みんな!!勘違いしてる!」
嘘でしょ…私の部屋は目の前なのにぃいい!!
何故かはわからないが、私と轟くんが付き合っているという話になって、轟くんの部屋に押し込まれた。
もちろん付き合ってなどいない、この前2人で出掛けたっていう話をしただけだ。
たまたま行き先が同じだったから一緒に行ったのだ。
出ようとすると扉を押さえられているようで、いくら開けようとしても開かない。
「開けてよー!」
無理、どうしよ…轟くんの部屋で轟くんと2人きりなんて、私の心臓持たない。
だって…轟くんのこと好きなんだもん。
かっこいいし、静かだけど優しくて…あと天然なのも可愛い。
こういう時、峰田くんを筆頭に悪ノリするのよくないと思う。
やめろと言ってくれる人たちの声が小さすぎる。
女性陣に関しては私が轟くんを好きなのを知ってるから、応援をされてしまった。
「諦めろ、三浦。女子たちがあの調子だとなかなか解放されないだろ。」
「なんで轟くんはそんな普通なの?」
「……普通に見えるか?」
私に背中を向けたままの轟くんがチラッとこちらを向いた。
頬が少し赤くなっている。
嘘…轟くん、意識してるの?