第2章 私の大好きな人✿保科宗四郎✿
「いやっ……副隊長じゃなきゃやだぁっ!!」
「は?三浦、お前…なに言うとるん?」
え、副隊長?
なんでここにいるの?
斑鳩小隊長の身体で姿は見えないが、そこにいるようだ。
斑鳩小隊長が早く行けと小声で言ってくる。
顔を見ると、頑張れよと笑っていた。
え?副隊長が来たのをわかってこんなことを…?
頑張れよって…無理だよ、私にそんな勇気ない。
斑鳩小隊長の腕から抜け出し全速力で逃げた。
斑鳩小隊長がなんで逃げるんだと叫んでいた。
トイレに逃げ込もうと扉を開けようとしたら、腕を掴まれ振り向かされる。
「そんな逃げんでもええやろ。」
なんで副隊長が…。
ちょっと来いとそのまま店の外まで連れて行かれる。
だが彼の足は止まることなくそのまま進み続ける。
腕を引かれ大人しくついていってると、マンションの中に入り最上階の部屋に通された。
なんでここ?てか、どこ…。
「男の家に大人しくついてきてもうたなぁ。」
え、男の家…?
もしかして、副隊長の…?
さっきのはなんやと玄関で壁に追いやられる。
「あ!斑鳩小隊長は何も悪くなくてっ…えっと…本気で何かするつもりじゃなくて……。」
「ちゃう。僕じゃなきゃ嫌なんか?」
「っ……。」
「なんも答えんなら知らんぞ。」
何が…という言葉は発せなかった。
副隊長の唇によって口を塞がれてしまったから。
唇が触れただけでそのまま動かない。
私も驚いて動けずにいた。
どのくらいか経つと唇はゆっくり離れて額がくっつく。