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魅惑の恋【保科宗四郎多めごちゃ混ぜ短編集】

第2章 私の大好きな人✿保科宗四郎✿


訓練中に新人を指導する彼を見つけては何度も声をかけたくなった。

それでもずっと、ずっと我慢した。

これ以上嫌われたくないから。


その日の夜、中之島小隊長や斑鳩小隊長に飲みに誘われたのでついていくと、副隊長や小此木さんまでいた。

正直あの2人が一緒にいるのを見たくない。

あの2人は仲が良すぎて、付き合っているのかと思う程だ。

もしかしたら本当に付き合っているのかもしれない。

だとしたら、私って本当にうざいやつじゃん。


2人から離れた場所で飲んでいると、中之島小隊長が話しかけてきた。


「最近どうした?」


なんのことだろうと思い首を傾げる。


「副隊長にあんなにウザ絡みしてたのに全然じゃん?」


「あーほんまにうざいって言われちゃいまして…あはは…。」


涙が零れそうになったので、膝をたててそこに顔を埋めた。


すると突然、中之島小隊長は斑鳩小隊長を呼び慰めてやってと言い出す。

なんで斑鳩小隊長なんだ…。


「慰めるってなんだ?」


「そりゃあ、そのまんまの意味だよ。男だろ?」


は?いや、無理。
斑鳩小隊長には申し訳ないが、無理に決まっている。
絶対に副隊長じゃないと嫌だ。


断っているのに斑鳩小隊長は私の腕を引いて個室から出ていく。


「あの、本当に私は…。」


「何もしない。副隊長がどういう反応をするか確かめるだけだ。」


そんなの…なんの反応もないに決まっている。


もう、好きなのやめたい…。
でもそんな簡単にやめられるはずない。

新人の時、解放戦力の数値に伸び悩んでいた私はただただトレーニングに明け暮れていた。

そんな私に彼はずっと付き合ってくれていたのだ。

毎日毎日…厳しくも優しさがあり、時折見せてくれたあの笑顔も、今は私に向けられることはない。


あんなに付き纏わなければよかった。
好きで好きで…ただあなたの傍にいたかった。


突然斑鳩小隊長が壁ドンをしてきて肩をビクッと震わせた。

何もしないんじゃなかったの?

だんだん顔が近付いてくる。

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