第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏
次の日の夜、宗四郎さんと2人で有明へ向かう。
最寄りの駅で待っていた鳴海隊長は私たちの姿を確認すると、いきなり抱きつかれた。
「美影!君はボクのものだ!先に見つけたのはボクだ!ボクとは何度もしたじゃないか…こいつとはまだなんだろう?」
戻ってきたらいくらでも甘やかすからと締め付けられて、痛くて苦しい。
なんで鳴海隊長は私を"物"なんて言うんだろう。
宗四郎さんに無理やり引き剥がされた鳴海隊長は、ホテルを取ってあるから行こうと歩き出す。
何故ホテルなのかわからない…。
私を"物"なんて言う人のところなんか、絶対戻らない。
あんなことをされたし、実際、物のように扱われてきたのだ、物は物でも…宝物のように私を扱うこの人には敵わない。
それに私は物じゃないと言っていた、そんな人から離れられるわけがないんだ。
せっかく私を物として扱うあの家から出られたのに、このまま鳴海隊長といれば同じことの繰り返しだ。
ホテルにつくと犬猿の2人の睨み合いが始まる。
話をしに来たのでは…?
「ここなら誰に聞かれる心配もないだろう。ボクの家でもよかったんだが、こいつを上げるのは絶対に嫌だ。」
宗四郎さんを睨んだまま私の手を引き、腕に閉じ込めながらベッドに座る。
「動くな。動けばお前を拘束して、目の前で美影を抱く。」
隊服の襟元をずらし中に着ているスーツを見せる。
私や宗四郎さんはスーツを着てきていない。
鳴海隊長は最初から話す気がなかったの?
私へと伸ばそうとした手は拳を握り元の位置に戻った。
赤紫は鳴海隊長を睨んでいた。
「まだ手を出していない女が他の男の腕の中にいるのはどんな気分だ?」
なんで鳴海隊長は私たちがまだしていないって知ってるんだろう。