第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏
目が覚めると隣にはまだ彼がいなくて、スマホを確認すると3時を過ぎていた。
いつまで働いてるんだか…。
確か執務室はあっち…記憶を頼りに基地内を彷徨う。
開いた扉から覗き込むと、小此木さんと話しながらパソコンと向き合う副隊長の姿があった。
気付いた彼と目が合って、どしたん?と手招きをされる。
「目が覚めてしまって…。」
「…おいで。」
近くまで行くと手を引かれて私の腰を腕の中に閉じ込めながら、キーボードを打ち始めた。
小此木さんが慌てて目を背ける。
恥ずかしい…。
「お、お休みしないんですか…?」
「そやねぇ…じゃあこれ終わったら、一緒に寝よか。」
近くに置いてあったクッキーを私の口に押し込みながらパソコンの画面を見つめている。
この時間に甘い物を…。
「食う時は座って食わんと。」
腹部に回された手に引かれ彼の膝に座ってしまう。
食べさせたのはあなただろう…。
どのくらいかその状態で作業を続けていると、パソコンをパタンと閉じた。
ずっと耳に息がかかっておかしくなるかと思った。
「ほな小此木ちゃん、僕ら休むで。ちゃんと休憩取るんやで〜、お疲れ。」
「あ、はい!お疲れ様です!」
私もお疲れ様ですと小此木さんに敬礼をし、手を引かれて休養室へと戻り、抱き締められたまま眠った。