第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏
突然鳴り響いた着信音に肩を震わせながら確認すると、鳴海弦と表示されていた。
普通かけてくる?
スマホを見たまま固まっているとどうした?と声をかけられて、画面を覗き込まれる。
「……僕が出る。」
私の手からすり抜けていったスマホは彼の耳にあてられていた。
淡々と話しているけど、鳴海隊長は相当うるさそう…何を言ってるかまではわからないが、スマホからこちらまで声が聞こえてくる。
「1回直接会って話しませんか?大切な"フィアンセ"を傷付けられて、僕も言いたいこと山程ありますし。」
ふ、フィアンセ…めちゃくちゃ煽ってる…。
明日の夜会うことになったようだ。
「君は来なくてええからな。会いたくないやろ。」
「いえ…もう一度ちゃんと言います。」
僕がちゃんと守るからなと頬を撫でて優しい表情をする。
ゆっくりと近付いてきて触れた唇は心地よかった。
「明日…帰ってきたら抱かせて…。」
頷くと横にならされて額にキスをし、おやすみと微笑む。
目を瞑ってどのくらいかすると私が眠ったと思ったのか、宗四郎さんは部屋を出ていった。
本当、仕事ばっか…この国と私を同じくらい大切にしてくれる彼が愛おしくて堪らない。
いつかあなたと隣で戦える日を夢に見て眠りについた。