第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏
食堂に行こうと起こされて部屋を出ていく。
ちょ、この格好のまま…髪ボサボサじゃないかな…。
食堂に着く前にトイレに入っていく。
「え?ちょ、宗四郎さん!ここ、女性用…。」
「大丈夫や、ここほぼ誰も使わん。」
そういう問題じゃないのだけど。
大丈夫やからと軽く首筋に触れた指に身体が反応した。
そのまま髪を持ち上げて私の手首にある髪ゴムを取り纏める。
「ん、どんなんでも可愛ええな。」
露わになった項にキスを落とされてまた身体が反応した。
今度こそ食堂に来てご飯を食べているのだが、周りからの視線が痛い。
コソコソ話しているので耳を澄ましてみると、とんでもない噂が広がっているようだ。
宗四郎さんが私のことを好き過ぎて、鳴海隊長から奪い取った。そんな風に言っている。
「宗四郎さん……なんで今日一緒に出掛けてくれなかったんですか!デートしたかったのに!」
「え……いや、仕事ある言うたやん?」
「そ、そうですけど…一緒にいたかった……どんな時も宗四郎さんの傍にいたい。」
どうやら周りの反応は私にヘイトが向いたようだ。
宗四郎さんが奪い取ったんじゃなくて、私が鳴海隊長を捨てたことになったみたい。
少し静かになった宗四郎さんはすぐに笑顔を戻し、僕もと頭を撫でた。
ご飯を食べ終わると風呂入ってきと大浴場に案内されたので、急いで入ってきた。
知らない子たちばっかりで居づらかった。
「君、さっきのはなんなんや。庇ったつもりなんやろうけど、僕そんなん求めてへん。そういうん嫌なんやけど…君が悪者になるん。もうすんやないで。」
初めて宗四郎さんに怒られた気がする。
部屋に戻ってきて早々睨まれた。
すみませんと謝ると途端に笑顔になり、さっきのは本心なん?と顔を近付けてくる。
頷けば今度デートしよなと抱き締められた。
「あーそれと…男共の誤解は解いておいたから。君の異動は長官が決めたことやって。僕が君のこと好き過ぎるのは本当やって。」
待って、後半は別にいらないような…?