第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏
「なぁ君、妊娠してないのか?」
隊長の部屋を片付けているといきなりそんなことを言われて固まってしまった。
いきなりなんなのだ。
「ボクの子を妊娠していたら、あいつとは別れなきゃいけないだろう?」
「……ピルを飲んでるので、してませんよ?」
「なんでだよ!?既成事実作ってボクから離れられないようにする計画が…。」
本当、最低だな。
嫌だ、別れろと手足をバタつかせて、途端に静かになると私の鞄を漁り始めた。
鞄持ってくるんじゃなかった…基地について早々呼ばれたからそのまま来てしまったけど。
「何してるんですか!!」
他人の鞄を勝手に漁るなんて信じられない。
慌てて止めるがすでに彼の手にはシートが掲げられていた。
「美影、これから毎日ボクとセックスをしよう。」
「は?」
意味のわからない言葉に呆けていると、手の中にあるシートを握り潰されてそのままゴミ箱に捨てられた。
鳴海隊長がここまでやばい人だとは思わなかった。
あの時のごめんはなんだったのだ。
無理やり抱き締められて身動きが取れなくなる。
「本当に好きなんだ。ボクの全てだ。君がいれば何もいらない、世界ですら敵に回してやる。」
世界?厨二病?
というかまず、私を敵に回してますが?
隊服のファスナーを下げられて無理やり脱がされる。
なんとか腕の中から抜け出して鞄を持ち、隊長室から逃げた。
「長谷川副隊長!!もう無理です!助けてください!」
副隊長の姿を見つけて助けを求める。
このままここにいたら、私は宗四郎さんのところに戻れなくなる。
事情を話すとすぐに本部の長官室に連れてこられた。
四ノ宮長官に全て話すと、鳴海隊長を辞めさせるわけにはいかないと、内密に私は第3に異動となった。