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魅惑の恋【保科宗四郎多めごちゃ混ぜ短編集】

第14章 寵愛と溺愛✿保科宗四郎+α✿裏


立川行きの電車に乗り、胸を落ち着かせた。

怖い…なんて言われるかわからない、別れることも覚悟しなければ…。

宗四郎さんと鳴海隊長は仲が悪いから余計どうなるかわからない。


立川基地の目の前まで来てどうしようか考える。

第1の人間が立川に来たのだ、門前払いを食らってしまうかも…。


「お前、第1の…。」


見つかった…!
慌てて自己紹介をする。


「どうしたんだ、隊長に話でもあるのか?」


この人は確か…小隊長の中之島タエ。


「あ、いえ…副隊長に少し、用があって…。」


「保科副隊長に?わかった、案内してやる。」


中之島さんは意外にもすんなり中に入れてくれて、宗四郎さんがいる執務室まで連れてきてくれた。

こんな遅くまで…。


中之島さんが彼に声をかけるとパソコンから目線を上げこちらを向く。


「三浦?どうしてここに……。」


「お話したいことがあって……宗四郎さん。」


普段私は彼を保科さんと呼んでいるので、名前で呼んだことで仕事の話ではないと察した彼は中之島さんに少し出ると伝えて、私の手を引き執務室を出ていく。

廊下を歩いてるいると掴まれていた手首から手が滑り落ち、指が絡んで力を込められた。

恋人繋ぎというやつでは…。


切りそろえられたサラサラな髪から覗く耳を見て、気付かれないように少し笑った。

赤くなっている。


「なんで笑うんや…恋人として来てくれたんやもん、嬉しいに決まっとる。」


背中に目でもついてるんですか…私、声出してないのに。


少し見える頬も赤く染まっているように見えた。

あぁ、こんな愛しい顔をする人はこれからどんな顔をするのだろう。

言いたくなかったのに鳴海隊長がああやって脅すから…と、隊長のせいにして、私が今までしてきたことを正当化しようとした。

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