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魅惑の恋【保科宗四郎多めごちゃ混ぜ短編集】

第13章 永遠の人✿うちはイタチ✿裏


肩に手を回され抱き締められたかと思えば、辺りの景色は全く違うものになっていた。

どこに連れてきたの…。

ここは…どこかの村だろうか。


行こうと手を引かれ、宿に入っていく。

宿?宿で何す……ん?

私、キスされて生きた証を刻みつけたいって言われて、宿に連れて来られたの?まさか…。


受付で話をしてる彼をボーッと見つめ、私は何故この人を殺さないんだと自分に呆れた。

きっと心の奥底ではこの愛する人を信じたいという気持ちがあるのだろう。


部屋を借りれたのか手を引かれ、建物の奥に入っていく。

部屋に入ると抱き締められそのままゆっくり座り、何故か私はうちはイタチの膝の上にいる。

抵抗なんて出来ない…嬉しいと思ってしまってるから。


「幻術をかける。あの夜の真実を見せる。」


あの夜の真実…うちはイタチが一族を皆殺しにした本当の理由…?


紅に変わった瞳を見つめ、額にキスをした彼を最後に意識は沈んでいく。

抵抗もせずに幻術を受け入れるなんて…。


長いようで短いような…受け入れたくもない現実を全て見せられた。

こんなのが、真実だと言うの…?うちはイタチが見せた、都合がいいものではないの?

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