第11章 あなたの心、私の全て✿保科宗四郎✿裏
そうですかと屋上を出ていこうとすると手首を掴まれて引き止められる。
触れられたところから熱が広がり、すぐに全身に駆け巡った。
私の全てがこの人を好きだと言っているの。
あんなことを言われたのに…。
「ほんまにあかん?……僕、なんや、その…おっぱい好きやねん…。」
「は?」
変なことを言い出すので思わず失礼な態度を取ってしまった。
何を言ってるんだこの人は…いきなり性癖暴露しないで…。
「君のん、好きな大きさやし…インナー越しで見たんやけど……形も好きで…いつも目で追ってまう…。」
どうしよ、頭が追いつかない。
手を離してくれない…この好機を逃すものかと必死で食い下がってくる。
やだ…そんな風に思ってる副隊長のことを嫌いになりたいのになれない自分が嫌だ。
「ほんまに1回だけやから…あかん?」
なんなの…なんであなたが必死になってるの?
普通私が必死になるもんじゃない?
手は離してくれないし、そんな捨てられた子犬みたいな顔しないで…。
「……なら…触るだけなら…。」
ここで惚れた弱みを出すなよ、私。
「ひゃっ!?」
掴んでいた手首を思いっきり引っ張られて、後ろから抱き締められる形になってしまった。
2つの膨らみを優しく手の平で包み込まれる。