第11章 あなたの心、私の全て✿保科宗四郎✿裏
私の好きな人、それは防衛隊第3部隊副隊長 保科宗四郎だ。
わかっている、叶わぬ恋をしていることは…それでも好きになってしまったのだから、この気持ちを失くすことは出来ない。
気持ちを伝えるだけでいい、ただ知っていて欲しい。
ただ、願わくば…あなたの心の片隅に私のことが少しだけ残って、死ぬまでに一度でも思い出してくれたら嬉しい。
そう思って想いを伝えたのに……。
「すまん、付き合うことは出来んけど…1回だけならしてもええで?」
頭を殴られたような感覚がした。
忙しい副隊長を屋上に連れ出してまで告白したのに。
「……いえ、大丈夫です。その為に想いを伝えたわけでも、好きになったわけでもないので…いやっ、確かにしたいとは思います。でも、違うんです!」
一度えっちをして満足出来るような気持ちならよかった。
あなたの気持ちが私に向かないのなら、ただ想い続けることを許して欲しい。このまま、いつの日か別の人のことを好きになるまで、好きでいさせて欲しい。
読み取れない表情の副隊長はほんまにええの?と聞いてくる。
私だけが気持ちがある状態でしても虚しいだけだ、辛いだけだ。
大丈夫ですと頷いた。
「そうか…君とは1回してみたかったんやけどな。」
今、なんて…?なんの為に?
この人は、人の気持ちをなんだと…自分のことを好きな女にそんなこと言う?本気で想っているのに。
瞬きもせずに彼を見つめた。
「言いふらすとは思わないんですか。告白したら付き合わないけど、えっちする人だって。そしたら、みんな告白してきますよ。」
この人としたい人なんて山ほどいるだろう。
「思わんな。君、そないなことする子ちゃうやろ。ちゅーか、しようなんて言うたん、君が初めてやで?"君とは"言うたやん。」
わからない…好きでもないのにしたいなんて思うのだろうか。