ダイキライなあの人は私の元婚約者【怪獣8号*保科宗四郎】
第3章 素直になれない
「亜白隊長の隣は譲らへんで」
『ッ!、、、(だから私を防衛隊に入れたくなかったんだ)』
寝付けなくて、座学の勉強でもしようかと資料室へ向かう途中だった。
カフカさんの声と、、、彼の声がした。
そしてさっきの言葉が聞こえてきたのだ。
彼の声のトーンは本気だった。
私のこと好きって、、、大切だって言ってたけど、彼は亜白隊長のことが好きなんだ。
だから私が防衛隊に入るのを嫌がったんだろう。
なぜか思考はそんな方向へと変わってしまった。
亜白隊長に敵うわけがない、凛としてかっこよくて、強くておまけに美人。
宗ちゃんを第3部隊に引き抜いたのも彼女だ。
あのことで彼が悩んでいたことは聞いていた。
だからこそ私は銃器の戦闘能力を必死に上げたわけで、、、
亜白隊長のことをすごく尊敬してることは分かってたけど、まさか好意を抱いていたとは、、、
ところが不思議とショックはそこまで大きくなかった。
きっと相手が亜白隊長だからだろう。
でも私の胸にはある想いが強くなった。
絶対に強くなる、、、
彼よりも、、、亜白隊長よりも、、、
それで後悔させてやる!!
新たな目標に向けて気持ちを切り替えた時だった。
施設内に警報ベルの音が鳴り響いた。
『ッ!着替えなきゃ!』
相模原討伐作戦、、、私たちの初任務だ。