ダイキライなあの人は私の元婚約者【怪獣8号*保科宗四郎】
第3章 素直になれない
『なんでしょう、保科副隊長』
「なぁ二人きりの時くらいはその呼び名やめてくれへんか?寂しいやん」
毎度の如く壁ドンをされるも、動じることはない私。
『私と貴方は上司と部下の関係です』
「ほな、上司命令や!僕と二人きりの時は"宗ちゃん"って呼べ!ええな?」
ニヤリと笑う彼に、私は大きなため息を吐く。
『職権濫用、、、、』
「使えるもんは使わんとなぁ?ほら、呼んでぇや!」
ほらほらと催促する彼、仕方がなく宗ちゃんと呼べば満足げな顔をして、、、
「はぁい!なんや?僕の可愛いお嫁さん」
『その呼び方止めてください。私は貴方のお嫁さんじゃないです!』
「そんな悲しいこと言わんでや、あの時はほんまにすまんかった。」
『ッ、、、今更、、、すぎます』
あまりにも悲しそうな顔をする彼に胸が締め付けられた。
だけど、、、私だってあの時は凄く傷付いたのだ。
でも彼はそんな私を追いかけることもしなかった。
なのに、、、今更すぎる、、、
「はぁ、、、どないしたら許してくれるんや?」
痺れを切らした彼は大きな溜息を吐き、本音を漏らしたのであった。