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オウムの恩返し

第7章 大きな水槽


「えっと、ガラスは砂を焼くんだよね」
「そう! よく覚えているじゃん」
「どうせすぐ忘れるよ」
 コハロンにガラスの作り方を教えているぎぞくに横槍を入れるぽんPを向こうに、僕はオウムちゃんと水槽の土台を作っていた。
「ヒカック! このブロックはここに置いたらいいのー?」
 オウムちゃんはクラフトした石レンガブロックを頭の上に持ち上げながら僕のところにやって来る。
「そう、そこだよ!」
 僕はオウムちゃんに指示を出しながら、まるでもう一人のコハロンさんの面倒を見ているみたいだ、と思った。もっとも、コハロンさんはこの世界に来てもう三年くらいは経つのだが。
「へへ、みんなで作る水槽楽しいね〜」とオウムちゃんはクスクスと笑った。「アツクラの人たちが建築するの見ていたから、私もやってみたいなぁって思ってたんだ〜」
 オウムだった頃からそんなふうに思っていたんだ、と僕はこの世界の広さを改めて感じる。知らないことがあるってなんだかちょっとワクワクするな。というかそもそも、オウムがあんな可愛くなることからもうびっくりなんだけど。
「ガラス焼けたよ〜」
 コハロンのよく通る声が聞こえて見上げると、三人がそれぞれ大量のガラスを持ってこっちにやって来ていた。水槽はもう少しで完成しそうだ。
「だけど、このサメどうやって移動させるの?」
「あ」
 そうだった。サメはサメでもジンベエザメ。もう釣り糸から外しちゃったし、四人で抱えて行くのには無理がありそう。もし抱えても逃げてしまうかもしれない。海はすぐそこにあるし。
「おーい、何してんのー?」
 そこにエリトラで飛んで近づいてきた人物がいた。僕たちは一斉になってその人の名前を呼ぶ。
「まぐさん!」
 オウムちゃんだけきょとんとした。
「まぐさん?」
「あれ、誰この子!」
「この子はですね……」
 僕はまぐさんに、オウムちゃんのことを説明した。
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