第6章 水槽
「コハラさん、そっち穴空いてるけど」
「あ、ほんとだ」
「ちょっと! コイツ暴れて水掛かるんだけど」
ぽんP、コハロン、ぎぞくと共に、僕たちは即興でジンベエザメの水槽を作った。水槽といっても、砂を積み上げて水を張っただけだ。
「すごーい! 大きいね〜」
オウムちゃんは砂山の横でジンベエザメを覗き込み、そんな感想を呟いていた。
そこで僕は思いついた。
「ねぇ、せっかくだからみんなで水槽を作ろうよ!」
まだ時間はあるし、と僕が言うとみんなは賛成してくれた。ただオウムちゃんはきょとんとしている。
「これが水槽なんじゃないの?」
僕はニッコリと笑ってみせた。
「もっと大きな水槽を作るんだよ! 一緒にやろう、オウムちゃん!」
「うん!」
オウムちゃんは着物の袖みたいな赤いヒラヒラを大きく振り上げてバンザイした。可愛らしい女の子だ。