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オウムの恩返し

第8章 合流


「へぇ! オウムが女の子に!」
 説明をし終えると、まぐさんは興味深そうにオウムちゃんを眺めた。どこからどう見てもプレイヤーに見えるその姿は、ネームタグがないことを除けば普通の人間みたいだ。
「へへ、まぐさんのお話は聞いたことあるよ!」とオウムちゃんは得意げに話し出す。「すごーく大きな装置を作ったりお山を作ってた人でしょ!」
「あー、まぐんてんね! そうそう、知ってるんだ!」
「えへへ〜、私は元オウムだからね!」
 オウムちゃんはすっかり、優しいまぐさんとすぐ打ち解けたみたいだ。楽しそうに会話をしている。
 それにしても、オウムちゃんは僕が思っている以上にアツクラのことを知っているみたいだ。
「楽しそうだけど、アレどうすんの?」
 ぽんPが声を掛けてきて、僕たちはサメを水槽に護送中だったことを思い出す。まぐさんもすぐにこっちに気がついた。
「えっ、何これ」お手本のようなリアクションをするまぐさん。「なになに、ぼくなつの世界はこんなのが釣れるの?!」
「そうみたいなんです。僕も知りませんでした」
 と僕は言い、オウムちゃんが釣ったことも伝えると、すげー! と目をキラキラさせた。この人は見た目ハンサムで誰がどう見てもいい大人なのに、遊び心を忘れずにいつまでも新鮮な気持ちを持っているまぐさんはカッコイイ大人だなっていつも思う。
「あのねあのね、みんなで引っ張って釣ったんだよ!」
 と話すオウムちゃんも誇らしげにまぐさんにそう説明している。サメの方に近づくと、コハロンが話し出した。
「こんにちはー、まぐさん! 俺たち、今このサメを向こうの水槽に移動させるところだったんですよ!」
 コハロンのよく通る声とずば抜けたコミュニケーション力で僕より先に全部説明をしてくれた。まぐさんはサメを見て、僕たちがついさっき完成させたガラスの水槽へ振り向いた。
「でもさ、この距離でも移動させるの大変じゃない?」
 とまぐさんがいいセリフを言ってくれた。僕はすかさずまぐさんに言葉を返す。
「そこでなんですけどまぐさん、サメを移動させるいい方法知りませんか?」
 まぐさんを見掛けた時から思いついていたことだ。まぐさんは僕の方に目を向けてきた。
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