第5章 釣り大会
僕たちはやっと釣り竿を用意し、浜辺から海に向かって浮きを飛ばした。
「ねぇねぇ、どうやって魚が取れるの?」
オウムちゃんは仕切りにそう聞いてきた。僕たちが釣っている中、オウムちゃんだけまだ魚すら掛かっていなかったのだ。
「じっとしていれば来るはずなんだけど……」
と僕は首を傾げる。オウムちゃんの釣り竿も、僕たちと同じエンチャントをつけたはずだ。
「ねぇそれ、もう掛かってるんじゃない?」
ぽんPがオウムちゃんの釣り竿を見てそう言った。え、まさか。オウムちゃん、最初と同じ体勢で釣り竿を持っているのに。
「あ、なんか来た!」
オウムちゃんが声をあげる。その瞬間、オウムちゃんが大きく体のバランスを崩しかけ、僕は慌てて支えに行ったが、釣り竿の引きはかなり強い。僕も倒れそう!