第3章 アツクラ観光
「わー、すごい! ここのアツクラも面白いものいっぱいなんだね!」
オウムちゃんに一通りアツクラを案内した僕たちは、ぐるりと回って初期地に戻ってきていた。
僕たちアツクラは、ある程度の期間内に町や世界を作り、その期間が終わるとまた別の町や世界に向かうを繰り返している大きな箱と呼ばれる団体だ。今の期間は「ぼくなつ」という世界にやって来ていて、去年のアツクラとは丸っきり違う世界となっていた。
「あ、そうだ。魚も色んなのが釣れるらしいから、オウムちゃんと一緒にやってみる?」
「いいんじゃない?」
「やろうやろう」
「オウムちゃんはどう? やる?」
僕に続いてぽんPとぎぞくが賛成し、コハロンがオウムちゃんに訊ねた。
オウムちゃんは大きくバンザイした。
「やるやるー! 人間が釣りしてるの見ていたからやりたいなって思ってたんだ!」