第18章 私、飛べるよ
「あ、ヒカック!」
「ちょっと、え、どこに行くの?」
「おい、ヒカック!」
僕はオウムたちを追いかけて初期地まで来ていた。初期地で待機していたまえさんが僕に声を掛けてきたが、返事をする余裕もないまま、オウムちゃんは浜辺の方に走った。
「そっちは海だよ、オウムちゃん!」
僕は必死になって声をあげていた。だけどオウムちゃんは一度だけ振り向いて、ニッコリ笑って。
「大丈夫! 私、飛べるよっ!」
そう言い残してオウムちゃんがぴょんっと跳ねた時には、それはもう女の子の姿ではなく、普通のよくいる赤いオウムとなっていた。
赤いオウムは先に飛んでいる水色のオウムを追いかけるように飛び続け、やがて小さな点になって見えなくなっていった。
「え、どういうこと……?」
コハロンは僕とこの状況を見ても未だ頭上にハテナを浮かべていたが、隣のぽんPは理解したのか、
「野生に返ったってこと……?」
と半分疑問のように答えを出した。
「めでたしめでたしってことじゃない」
そうぎぞくが締めくくって、僕とオウムちゃんたちの話は幕を閉じたのだ。