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オウムの恩返し

第17章 告白


 ついでにオオカミ神社の方に案内しながら、僕はオウムちゃんに、とうとう思っていたことを打ち明けることにしたのだ。
「あのね、オウムちゃん」
 口を開くと喉が乾いた。こっちはジャングルバイオームで空気が湿っているのに、不思議な感覚だった。
「なぁに? ヒカック」
 オウムちゃんの顔は相変わらず目がクリクリしていて可愛らしい。僕は思わず目を逸らした。
「僕、去年のアツクラで生き残ったオウムちゃんを、殺しちゃったんだよね」
「えっ」
 僕の発言に、オウムちゃんの目はますます見開いて声を失くしたみたいだった。僕は更に続ける。
「それに、あの時生き残ったオウムは、赤じゃなくて水色だったんだ。だから、恩返しは嬉しいんだけど、オウムちゃんが思っている恩人は、僕じゃないのかも」
 僕がそう言うと、オウムちゃんは自分の衣服をキョロキョロと見た。オウムちゃんは元赤いオウムだったんだと思う。
「でも、だって、私、本当にヒカックのことを覚えてて……」
 焦った様子のオウムちゃん。その反応を見る限り、オウムちゃん自身も、あの時のオウムは自分だったと勘違いしていたみたいだ。
 それとも色を変えた同じオウムなのか……? 僕にはさっぱり分からなくて立ち尽くしていると、オウムちゃんがはたと動きを止めて呟いた。
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