第11章 夜
「私のお家? いーよいーよ、私元オウムだし、お外で寝てるよ!」
僕は決断し兼ねてオウムちゃんに家をどうするか聞いてみた。すると、僕たちがまさか疑っているとも全く知らないまま、オウムちゃんは明るくそう言ったのだ。
振り向くと複雑そうな顔をしているぎぞくの顔が見えた。多分、アイコンタクトでこのまま置いて行こうと言ってるんだと思う。
「……僕も、ここで寝ようかな」
と僕が言うと、ぎぞくがすぐに飛び出してきた。
「おいヒカック! ……いいのかっ?」
声を潜めてぎぞくは僕に聞いてきたけど、この距離ならオウムちゃんにも聞こえている。
けどオウムちゃんは僕たちのことを全く疑っていない。そんな女の子を一人ここで置いていくことなんて出来ない。それに女の子に襲われるなら本望……(殴)。
まぁそんな冗談は今は胸の中に仕舞って、オウムちゃんをここに置いてけぼりに出来なかった。ぎぞくは不安そうな顔をしていたが、明日は用事があるから僕と一緒にいると言うことも出来ないんだろう。
「なんかあったらすぐ連絡しろよ」
「大丈夫だよ、ぎぞくさん」
ぎぞくは心配性だなぁと僕は思ったけど、この人がいつも慎重だったから助けられたことも結構ある。きっと大事な部分だ、と思いながら僕はオウムちゃんの方に向かった。
「オウムちゃ〜ん、今日は僕と一緒に寝ようねぇ」
「ちょっと待って! ストップ!」そこに帰ろうとしたはずのぎぞくが止めに入る。「なんか危険な香りがしたからちょっと待って!?」