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【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第6章 穢れた過去



そして嫌な予感は的中する

地下駐車場には
彼女の姿が無く、

代わりに彼女の身につけていた
帽子が落ちていた。

私は車のキーに付けていた
GPSを起動させて
警察に電話した。


**

バタバタ…

警察からこの病院に搬送されたと
連絡が来て、
ひとまず生きていることに安心した。

走って病室に入ると

既に目を覚ましている〇〇と目が合う。
目の奥が……荒んでいる。

『菱……、
あ、色々と動いてくれたんだよね…
ありがとう^^ 』

なんであんたが無理して笑うのさ。

「〇〇…ごめん…
私がついてれば……
ごめんなさい…」

ベッドの上に項垂れて
涙を流す私の頭を撫でながら

『ううん…いいの…
菱……大丈夫…
大丈夫だから…』

そういう彼女の言葉に
力強さはなかった。

それからしばらく入院生活が続いた。

彼女の体は今回の件がなくても
ボロボロだったのだ。

私は監督不行き届きで
クビにされてしまった

それでも彼女の元への
お見舞いは欠かさなかった。
もちろんプライベートの素の私で。

ある日、
例の彼氏が病室に居て…
入るタイミングを伺っていた。

「だから…俺たち…別れよう…」

という言葉が聞こえた

『……うん…分かった。』

入院している彼女に言うことなのかと
耳を疑ったが…
こちらに歩いてくる元カレに
今来たところを装うため

ガラッ…

「あっ、すいません、…」

と、わざとぶつかって見せた。

「あっ、いえ、こちらこそ…//」

と、少し頬が緩んだのを
私は見逃さなかった。

私は咄嗟に体重を掛けて
ボキッとヒールを折り、

「あ、あの、…すいません…
ヒールが…折れてしまったので…
助けて貰えませんか…?」

と、その男の懐に入った。

どうして別れたのか、探りたかった。
そして、もしそれが、
この男の理不尽なら絶対に報復すると誓った。

私たちは病院のすぐ側のモールで
ショッピングを楽しみ、
カフェでコーヒーを飲んでいた。

「…あの…俺と〇〇の話、
聞こえてました?」

と、唐突に向こうから話し始める。

「いいえ?…

聞こえていたら
ぶつかったりしません…」

会話を聞いていたと分かると
警戒されるかもしれないので

素知らぬ振りをする。

「そ、そうですよね。」

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