第6章 穢れた過去
「あら、イケメンと3人だけなんて…
嬉しいわ〜♡」
肘を着いて
挑戦的な目をしてくる男に
「フン…黙れ。
単刀直入に聞く。
あやつに…〇〇に過去、何があった。」
と聞く。
するとクス…と笑って
「ふふっ、アナタ…いや、貴方たち…
本当にあの子が好きなのね。
いいわ。教えてあげる…
なぜ、あの子が私を隠したがったか…」
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菱side
昔からヒールが好きだった。
スラッと背が高く、長い脚をさらに
長く魅せられる。
モデルは私にとって天職だと思った。
けど、モデルという職業は
トランスジェンダーへの風当たりが強かった。
そんなときに〇〇に出会った。
彼女は
読者モデル枠でコレクションに参加し、
非難轟々のなか、ランウェイを歩き、
服を切り裂いて自分風にアレンジして
会場中の視線を集めて去っていった。
末恐ろしかった。
私が目指していたものを
片手間でやる女…
でも、手を抜かない女。
私はそのとき、焦りと緊張で
大事な衣装を壊してしまった…
そんなとき、
ヒーローが現れた。
自分の衣装の切れ端で、
コサージュを作り、
その辺のカーテンを割いて
敗れたところを見事大きなバラ風の
レースで隠して見せたのだ。
そのときから、
私はこの子に一生着いていくと決めた。
決めてからは早かった。
同じ芸能事務所でマネージャーとして
採用され、
彼女のお眼鏡にかなって
無事マネージャーになった。
ある日、彼女にある少年雑誌の
グラビアの仕事が入った。
「いいよ~…もう少しこっちに視線…
はい、伏し目がちのも頂こうか…
うん。
おっけー。」
ファインダーの奥で、
彼は彼女を静かに貪っている
つぎ…挑戦的な写真いこうか…
これ、表紙に使いたいなぁ…」
『挑戦的…ですか?
これ…少年向けじゃ…』
「そう。
だから、こう、
童貞は全部奪うぐらいのやつ!」
『は、はあ…』
何言ってんだこいつ。
って、思うけど、
マネージャーは何も口出しするなと
社長に言われていてできない…
「肩紐をこう…外して…」
『あ、じ、自分でできますからっ( ˊᵕˋ ;)』
「そう?じゃあ、片側だけ外して1回
写真撮ってみようか?」
『は、はいっ、』
「いいね。
で、このヘアゴム咥えて…
そう、髪を結いかけてる感じで…」