第6章 穢れた過去
「じゃあ、昨日のこの行動は
どう説明しやがる。
なんの意図があって
肩を抱いて腕を組む必要がある」
と黒崎が割り込んでくる。
「はぁ?
なんでそんな偉そうな人に
教えなきゃなんないんですかァ?」
「チッ…上等だよ。
力ずくで聞いてやる」
『ちょっ、ちょっと待って3人とも( ˊᵕˋ ;)』
ガタッと立ち上がる黒崎を
何とかなだめる〇〇。
すると、
ガチャ…
「ただいま~…」
と、一ノ瀬と神宮寺が帰ってくる。
『あっ、お帰りなさい( ˊᵕˋ ;)』
このカオスな状況を
瞬時に把握したのか、
「もしかして…
この人が〇〇ちゃんの秘書…なのかい?」
と、神宮寺が俺達に話しかける。
「えっ!?えーっ!?
レ、レン様っ!?
アナタ、ST☆RISHとも付き合ってるの!?」
『う、うん、…
神宮寺レンさんと、
一ノ瀬トキヤさんです^^』
と、〇〇の肩を揺する。
俺はその手をステッキで払い除け
触るなと威嚇する。
「へぇ…」
なにか、品定めをするような
目付きをされてようやく理解する。
こやつ、俺たちを見定めている。
〇〇に相応しいかどうか。
「あの…状況がいまいち…
写真の姿と今の姿…
どちらが素…なんでしょうか?」
一ノ瀬が会話に割って入り、
視線が女男に集中する。
「この姿が本当だし、
中身も女…つまり、
好意の対象は貴方たちオトコ…よ♡」
と次は一ノ瀬にウインクしてキスを投げる。
ピシッと石のように固まっている
一ノ瀬に
『あっ!もう!
見ちゃダメ!』
と、〇〇が目隠しをする。
「ほーんと、
〇〇ちゃんは面食いだよねェ…
こう次から次へといい男をホイホイと…
でも、中身は…クソなことが多いのも事実よね」
『うっ…そんなこと…っ//』
言い返そうとするが、
何も言い返せない様子の〇〇
俺たちよりも
〇〇の過去のことを詳しく知ってそうな
この男の話を…少し聞いてみたくなった。
俺たち4人は目配せで
会話をして、
神宮寺と一ノ瀬が〇〇を
2人の荷解きの手伝いと称して
ランドリー室に連行する。
渋々〇〇も2人に着いていく。
そして、〇〇がいる前では話し辛そうにする
この男を1人にした。