第5章 ST☆RISH ツアー中の過ごし方
**
こんな感じで5日が過ぎ、
明日には2人が帰ってくる。
ワクワクで仕事をしていると
「なんだか今日は空気が柔らかいですね…」
なんて菱に言われて
『ふふっ…わかる?♪』と答える。
「そろそろ同居人の皆さん…
紹介してくれてもいいのに…
後からあらぬ誤解が生まれても知りませんよ?」
『あらぬ誤解ってなに?』
「私と一緒にいるところを見られでもしたら…」
『…?
なんで菱と一緒にいるとこ見られたらダメなの?』
貴方ただの秘書でしょ?って顔をすると
「はぁ…」とため息をつかれる。
『??』
「そろそろお帰りになりますか?」
と言われ、
時計が16:10となっていることを確認する。
『うん!
帰ろ〜( ¨̮ )』
「かしこまりました。
では車を下に回してきます。」
『あー、いいよ!
一緒に降りる!』
バッと周りの荷物を持って
菱の後を追いかける。
廊下を歩いていると
「あの…ちなみに
同居人の皆様には
この会社のことをなんと言っているのですか?」
と、菱が質問してくる。
『ん?…
縫製会社で社長やってるって言ってるよ?』
「わ、私のことはなんと?」
エレベーターホールに着いて
菱がボタンを押してくれる。
『菱?社長だから1人秘書が居るよって
言ってるくらい?』
「そ、そうですか…」
『ねぇ、菱、なんなの?
うちの同居人が気になるの?』
チン…
とエレベーターの到着音が鳴り
2人で乗り込む
「あ、いえ( ˊᵕˋ ;)
もし、遭遇した際に
どれくらい話を合わせた方がいいのかと思いまして」
『あ、あー…なるほどね。
普通に社長秘書って言ってくれたらいいよ?
まぁなるべく会わせたくないけど…』
「それ、なんでなんです?」
『…言わない。』
そりゃ、
現役アイドルと付き合ってるなんて
言えるわけないでしょ。
「…えー…」
チン…
地下の駐車場があるフロアに
エレベーターが到着し、
話題を変える。
『ま、まあいいじゃん。
そうだ!今日はここのパン屋寄って欲しい!』
「あっ、ここ…」
『行ったことある?』
「とても美味しいですよ。
特にクリームパンがオススメなんです。」
『えっ!?ほんと!?
絶対クリームパンにする!』
なんて言いながら
クリーニングの車に2人で乗り込み出発する。