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【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第18章 人生の転機




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ST☆RISH side

全員で生中継の番組に出演し、
寮に戻ってきた頃…

「レン…ちょっと…」

と、

トキヤに呼び止められるレン。

「ん?…どうしたんだい?」

〇〇のことが
胸のどこかで引っかかったままのレンは
何も言わず先を歩くトキヤに着いていく。

ガチャ…

イベントで使う道具や
衣装が置かれた薄暗い倉庫で2人きりになる。

「イッチー、どうしたんだい?
こんなところに連れてきて…

俺、男には興味ないよ?」

冗談交じりにこう言うレン。

「……ふざけないでください。

レン…貴方、〇〇さんを泣かせましたね。」

トキヤの口から
〇〇の名前が出てドキリとする。

「んなっ、…泣かせてなんか…

彼女は強いひとだ。
俺1人居なくなったって、
なんとも思わないだろう?」

おおよその状況が分かっているのだと判断し、
トキヤにこう言い返すと、

「強いひと……
そうです。

彼女は本当に…どうしようもないくらい強い……

私たちはずっと勘違いしていたんです…」

「……どういうこと?」

「貴方が七海さんの話を
持ち出した日…

彼女は鳳瑛一の前で涙を流したそうです。

これは疲れ果てて彼の前で
眠ってしまった彼女の写真です。」

トキヤの言動に眉をピクリとだけ動かして
動揺をなんとか隠そうとするレン。

「…何があったか聞いても、
彼女は頑なに口を閉ざしていたみたいですが、
後から桐生院さんから話を聞いた鳳瑛一が
恐らく貴方が原因だろうと、教えてくれました。

…私も、今の貴方の反応を見て、
そうだと確信しました。」

キッといつも以上に
鋭い視線を向けるトキヤ。

「……っ、…謀ったのかい?」

「…はい。

…まぁ、
〇〇さんのテンパり具合からみて
只事ではないと思っていたので、
そこまで意外ではなかったですが……」

「…で?俺にどうしろって?」

「〇〇さんと正式にお別れしなさい。
曖昧にしていいことじゃありません。

キチンと…謝罪して、
あの家から出ていきなさい。」

そう言われて
レンの心臓がドクンと跳ねる。

〇〇との別れ…
考えただけで震えてくる。

彼女を傷つけておいて、
まだ彼女を想っている自分に
吐き気さえしてくる。


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