第17章 代替品の恋慕
『ミューちゃんと、ランランまで!?
ふ、ふたりとも、ツアー中じゃ…』
申し訳ない気持ちで
いっぱいになる〇〇に、
「嶺二と一緒にいたら
コイツから連絡が来たんだ。
こんな写真と一緒にな。」
と、スマホの画面を見せる蘭丸。
なにやらメッセージアプリのスクショ画面で
瑛一からの「こいつを返して欲しければ、寮に来い。」
というメッセージの下に
〇〇の無防備な寝顔の写真
が送られている。
まるで人質をとったかのような
メッセージに凍りつく〇〇。
そして、
「スマンが5人にしてくれるか?」
とメンバーをリビングから追い出す瑛一。
文句を言いながらも
各々の部屋に戻っていくHE★VENSたち。
それを見届けてから
「まさか…この3人が現れるとはな…
一ノ瀬トキヤはともかく…」
と、カミュと蘭丸を睨むようにみつめる。
『瑛一…まさか、
私の恋人を炙り出すために…?』
瑛一のただならぬ雰囲気に
ゾッとして問いかけると
「…ククク…
まぁ…そんなところだ…
(本当は神宮寺レンと一ノ瀬トキヤ、
どちらが恋人なのかを炙り出すためだったが…
…まさかあと2人でてくるとは…)
お前たち…4人で付き合っているのか?
ここを修羅場にしないでくれよ?」
と〇〇が内緒で各々と付き合っているのか、
はたまた合意の上なのかを確かめようとする。
その魂胆が分かったカミュが
これ以上、ただで情報をくれてやるものかと
何かを言い返しそうな〇〇を
そっとなだめる。
「〇〇…話は後だ。
ここは空気が悪い。
1度家に帰るぞ…」
『…っ、だって…(∵`)』
「いいから。」
そんなやり取りをしていると
「ハァ…ハァ…□□さまっ!」
また菱が駆けつけてくれる。
『ひ、菱っ!?』
息を切らす菱の
背中を擦りながら声をかけると
「ここまで菱さんに
連れてきてもらったんです。
すいません。
勝手なことをして。」
と、トキヤが〇〇に状況を説明する。
「も、…3人とも、門を入ってすぐに
出ちゃって…
探しましたよ…っ…はぁ…」
そして、
到着したばかりの菱に瑛一が
「丁度良かった。
〇〇のマネージャー、
はやくそいつを連れて帰ってくれ。
この3人は俺が送り届ける。」