第17章 代替品の恋慕
チラッと横をみると
『……zzZ』
眠ってしまったようだ。
「……ったく。
どれだけ無防備なんだ、お前は。」
住所を聞きそびれた瑛一は、
自分たちの寮に一旦連れ帰ることにした。
**
HE★VENS寮の共同リビング
瑛二とシオン、ナギが談笑している中、
扉が開き、
「戻った。
瑛二…少し手を貸してくれ。」
と、瑛一が帰還する。
「おかえ…ぅえっ!?
〇〇さん!?どうして…」
瑛一にお姫様抱っこされた〇〇をみて
瑛二がギョッとした顔で驚く。
「色々あってな……
送り届けようとしたんだが、
住所を聞く前に寝てしまった。」
「うえー、なになに…
って、この人この前の□□ 〇〇じゃん。
瑛一、やっぱりただの元共演者じゃないでしょ。
どういうことか説明してよ。」
瑛一と瑛二の手でソファに寝かされる
〇〇の顔をまじまじと見下ろすナギ。
「………あぁ。
こいつが目を覚ましたらな。
…俺の判断で話す訳にはいかない…」
同じく〇〇を見下ろしながら
そう答える瑛一。
その様子を見たシオンが
「……目覚める時を待つしかない…
ということか。」
と呟き、
「…だね。」
と瑛二が答える
**
『……ん……』
「………目が…覚めた…」
目を覚ました〇〇の目に、
綺羅が映り、
『……!?!?!?』
驚きのあまり声が出ない〇〇。
「おはよう。〇〇ちゃん^^」
それからヴァンの姿…
『おはよ…ゴザイマス…』
物凄いスピードで
寝るまでの過程を思い出して
『( ゚д゚)ハッ!…瑛一!
寝てた!
ごめんなさい!』
とソファで華麗に土下座するヒロインに
「はぁ………
俺は大丈夫だが、
念の為、音也と寿 嶺二に連絡しておいた。」
『??なぜその2人に?』
「QUARTET NIGHTと
ST☆RISHで連絡先を知っていたのが
この2人だからだ。」
その言葉に
ポケットの中のスマホを確認すると
ミューちゃん、ランラン、トッキーから
鬼電がかかっていた。
『…(=_=)』
邪魔しないと誓っていたのに
大大大迷惑をかけていて
自分をぶん殴りたくなる〇〇。
1人100面相をしている所に