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【R18】欲ばりに花束を。[うたプリ]

第17章 代替品の恋慕




デュエット曲の打ち合わせ後、
夕日に照らされた会議室に
対峙する2人。

「…彼女(春歌)は作曲家だ。
これから仕事しようって時に

どういうつもりだ。」

さきほど春歌に付き合おうと言った
ヴァンが許せず、こう切り出すレン。

ヴァンは首を傾げて

「んーっ…
レンちゃん、
やっぱりあの子のこと好きなんや?」

と、確信している様子。
レンは思わず息を飲む。

「ワイはあの子のこと
めちゃ気に入っとう。

せやから、その気持ちを伝えな…

そう。自分の気持ちに正直なんや。


……あんたと違ってな。」

と口角をあげてニヤリと笑うヴァン。

「俺の何がわかるって言うんだ。」

レンが思わず言い返すと

「ワイは自分に正直に生きとう。

日々冒険。人生は真剣勝負!

それが音楽にも繋がると思うとる。

自分を偽って生きとったら、

音楽も偽ることになる。」

と続け、
さらにトーンを落として

「それ、聴く人にも伝わんで。」

と、凄んでくる。

レンも負けじと

「俺は自分を偽ってるつもりは無い。」

と鋭く睨みつける。

「とにかくレンちゃん、
もっと本気だしぃや。」

と言いながら
レンの横を通り過ぎるヴァン。

レンも

「アンタに言われたくない。」

と振り向きもせず言い放つ。

すると、ヴァンは足を止め、

「なぁ、勝負しようや。」

と言い、

「勝負?」

とこれには流石にレンも振り返る。

「ドラマで評価高かった方が
はーちゃんをもらう。」

真剣そのものと言った表情のヴァンに

「なっ…」
言葉を失ったあと

「レディはものじゃない!」

と珍しく怒りを露わにするレン。

「おー、こわっ!

ハハハハッ

退散。退散〜。」

と煽るように走り、

出入口前で

「勝負…逃げんときや。」.

とだけ言い残して逃げ去る。

**

この出来事だけで、
レンがヴァンを嫌悪するには十分だった。

その後のリハでも一向に
本気を見せてこないヴァンに

「……(ハッ…勝負にならないね)」

と、高を括るレン。

既に〇〇に言われた助言は
彼の頭には残っていないようだ。


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