第17章 代替品の恋慕
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『初めまして…ではないけど、
今日からよろしくお願いします^^』
と、〇〇がまず挨拶したのは
桐生院ヴァン。
今回〇〇たち家族が闘う相手だ。
「〇〇ちゃんやん!
よろしゅうお願いします〜。
ほんまに女優さんやったんやなぁ。
この前と全然雰囲気ちゃうやん!」
と、ほぼ初対面から軽〜い感じ。
だがこの圧に負ける〇〇ではない。
『そうですかね?
前回お会いした時は地味でしたからね^^』
と返すと
「なんや、気にとめられんかったこと
気にしとるん?
安心しいや、
今日のアンタはめっちゃ可愛いから。
わい、惚れてしまいそうやわ~」
冗談なのか本気なのか
全く本心が掴めない彼に
『うわ……かるっ…』
と言いながら
ゾゾゾ…っと
身震いしてみせると
「ひどいなぁ^^
わいは皆に本気なんやけどなぁ…」
と、ムスッとするポーズをとるヴァン
『それが軽いって言うんでしょ…
そのグイグイ来る感じ…
瑛一と気が合いそーですねー(=_=)』
適当にあしらってレンの所に行こうとすると
「……そういえば、瑛一のなんなん?」
と、急に真剣な表情で
低めのトーンになるヴァン。
一瞬気圧されたが、
『……本人から聞いたらいいじゃないですか?^^』
と、笑顔で返し、
ヴァンとは反対の方に歩いていく。
「んーっ、やっぱ手強いなぁ^^」
後ろでボヤくヴァンを置いて。
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レンをキョロキョロと探していると
なにやら思い詰めた表情の彼が
小休憩用の椅子に座っているのが目に留まる。
近づいていくと
レンも〇〇にに気がついたみたいで
少し表情が和らぐ。
『……久しぶり^^
…でもないけど、
この前はあまりお話できなかったから』
と声をかける。
「あぁ…桐生院ヴァンには会ったのかい?」
『うん…さっき。
なかなか掴めない人だね。』
横に腰掛けながら
そう言うと…
「うん…本気が見えない…
正直ガッカリしてる。。」
と、ガッカリしている自分を
少し疑っているようにも見えるレン
ヴァンの演技がすごくよかったらしい
という音也の言葉が少しだけ気にかかっているようだ。
『……クス…
レンくんがそんなこと言うの珍しいね^^』
と言うと