第17章 代替品の恋慕
顔合わせ当日
主役のメンバーは既に
顔合わせと本読みを済ませていて
後日参加となった〇〇の役は
原告の妻役、つまり
怪我をした男の子の母親役だった。
『原告の妻役、□□ 〇〇です。
よろしくお願いします。』
スタッフを含めたチーム皆に挨拶をして、
監督、プロデューサーに挨拶をする。
『また呼んでくださってありがとうございます^^』
「この前QUARTET NIGHTの写真集出てたでしょ?
□□ちゃんとまた一緒に仕事したくなってさぁ^^」
『えっ!!手に取ってくださったんですか?^^
嬉しいです!
って言っても主役は
QUARTET NIGHTの皆さんですけどね。』
「久々に嶺二くんとの共演も見てみたいね〜^^」
『機会があれば是非〜^^』
なんて言っていると
奥にレンを見つけ、
『あ、じゃあ
演者の皆さんにも挨拶してきますね^^』
と、その場を後にする。
まずは主役の2人…といきたいところだが、
正直この2人はもう顔見知りなので
先に夫役の俳優と子役の子に話しかける。
『妻役の□□です^^
よろしくお願いします』
「よ、よろしくお願いしますっ」
少し気弱そうな感じだが、
5年前くらいからちょこちょこ脇役で
見るようになった俳優だ。
そして少し屈んで、
『母親役の□□です^^
好きに呼んでね?』
と年長さんくらいの男の子に
伝えると、
「よ、よろしくお願いします。
ぼ、ぼく…修斗(しゅうと)って言います。
〇〇ちゃん…て読んでもいい?」
と、少しモジモジしながら言われて
『…キュン( ´͈ ᵕ `͈ )♡』
としてしまう〇〇。
『いいよ〜^^
今から主役のお兄さん達に
挨拶に行ってくるから、
その後一緒に遊ぼっか?』
と言うと
「うん!」
と元気になる少年。
〇〇にとっては初の母親役で
少し緊張していたが、
子供の笑顔に一気に安心した。