第16章 とあるメンテの日
寝室side
「それでは準備も整いましたので、
始めさせて頂きます。
今回はアロママッサージなので、
ご準備頂いたビニールシートに
私が持参したシート、バスタオルを敷いております。
ですので、お客様のベッドが汚れることは
恐らくないかと思いますが、
万が一何かありましたら
クリーニング代は弊社で負担しますので
仰ってください。」
『は、はい…』
とうつ伏せになって答える〇〇は
紙ショーツに紙ブラでその上を
ボタン付きのバスタオルで胸まで覆っている
さらに、大きなバスタオルを
代田に掛けられ、全身がすっぽりと隠れている。
「あ、…あと、私がいつも持ち歩いている
噴霧式のアロマディフューザーも枕元に
置かせて頂きますね。」
と、忘れてましたと言わんばかりに
バッグから取り出して
スイッチをONにする代田。
『へぇ…これは初めてです。』
感心する〇〇に、
「今回使うアロマオイルと同じ、
リラックス効果のある香りなんですよ^^」
と笑顔で対応する。
この頃には〇〇の警戒心は
ほとんど無くなっていた。
蘭丸とレンが静かに扉を開けると
〇〇の足の裏だけが見え、
あとはバスタオルで覆われている。
「……(何も見えねぇ…)」
「……(だね…しばらく様子を見よう…)」
ベッドの枕側を向いて施術するため、
扉が少し開いていることなど
中のふたりは全く気づく気配がない。
「では…はじめていきますね。」
と、〇〇に掛かったバスタオルの
左足部分だけを捲って、
〇〇の紙ショーツの左半分が見える状態になる。
2人からしたら衝撃映像だが、
〇〇としてはいつものことなので
あまり気にならない。
施術者が見えないので、より違和感が無いのかもしれない。
「オイル…少し冷たいかもしれません。」
『はい』
オイルを掌に馴染ませて
ふくらはぎから太もものあたりまで
伸ばしていく。
「力加減…強すぎたら言ってください」
『は、はい…
大丈夫です。』
男性の手のひらの大きさと
力強さに驚きながらも
(これはこれで気持ちいいかも…)
なんて考える〇〇。