第16章 とあるメンテの日
『ら、ランランまで…///
2人とも…ありがとうだけど…///
なんか恥ずかしいよ…//』
2人に挟まれて
指を絡めて手を繋がれ、
甘い言葉を囁かれる…
ドキドキと心臓がうるさく鳴る。
『……///』
「レディ…//」
「〇〇…//」
と、2人の唇が迫ってくるところで…
ピンポーン
とチャイムが鳴る。
〇〇はハッとして
バッと立ち上がり、
2人のキスを交わす。
「…残念…」
「…チッ」
残念がる2人を残して
インターホンに出ると
「お待たせしました。
佐呂(さろ)さんの代わりに来ました。
この度はご迷惑をおかけして申し訳ありません」
と、若い男性がモニターに写る。
『……
(お、男の人だ…
どうしよ、…
でも、代わり
この人しか居なかったってことだよね
ここで帰ってもらうと
佐呂さんに気を使わせることになるかも…)
……は、はい』
と、明らかに声のこわばる〇〇は
渋々門のロックを解除する。
「……?
さっきの声…
男だった?」
と、心配そうな顔をするレンに
『ううん。
声が低めの女の人!
さっ、2人ともまた隠れてね^^』
と何とか乗り切ろうとする〇〇。
「でも、なんか顔色悪くねぇか?」
蘭丸も心配そうにしている。
『そ、そんな事ないよ〜
さっき、フェイシャルも
やってもらったから
白くなってるだけだよ^^』
そう言いながら、
2人の大男を書斎まで追いやり
2人が中に入ったのを確認してから
パタパタと玄関先に向かう。
ガチャ…
「この度は、ご迷惑をおかけして
本当に申し訳ありませんでした!」
扉を開けてすぐに
深深と頭を下げられて
『だっ、大丈夫です( ˊᵕˋ ;)
頭をあげてください
は、早く、中へ!』
誰かに見られることを警戒して
素早く玄関に招き入れる〇〇。
「あ、改めまして、
佐呂の代わりに担当させていただきます、
代田(よだ)と申します。
女性をご希望だったと思うのですが、
生憎、本日手が空いているのが私しかおらず、
申し訳ないです。
もし、あれでしたら…
ここでキャンセルいただいても
問題ありませんので^^」
と、丁寧な挨拶と説明を受け
『……いいえ!とんでもないです。
御足労頂きありがとうございます^^』