第16章 とあるメンテの日
レン・蘭丸side
「……改めて入るとすげぇ部屋だな…」
本や雑誌、CDで敷き詰められた壁を
見ながら立ち尽くす蘭丸。
「蘭ちゃん…コレ見てないでしょ?
…〇〇ちゃんの
18歳の時の…超お宝写真♡」
例の雑誌を手に取って
蘭丸に表紙をみせるレン。
「なっ!?
これって…例の雑誌か?」
と、唾を飲み込む蘭丸。
その表紙に写る18歳の〇〇は
24歳の蘭丸から見ても
息を飲むほど美しく、艶やかだった。
「……////」
「可愛い…というか、
エロい…よね。
こんなでよく今まで無事だったよね…」
「ストーカーの被害にあって
彼氏と酷い別れ方ばっかりの奴は
無事とは言わねーんじゃねーか。」
「………たしかに。
こんなに綺麗だからこそ
沢山苦労したんだね……」
「あぁ……」
雑誌をレンから受け取り
ペラペラと捲っていくと
あられもない姿で
カメラに視線を向ける
少女の写真が目に入り
「なっ!!…これ撮ったやつは
何考えてやがる!///
未成年に出せる色気じゃねーだろ。///」
口元を抑えて
顔を真っ赤にする蘭丸。
「わお♡
ほんと…
どんな経験をすれば、
こんな顔ができるんだろうね…//」
「……だな……
これからはこんな乱れた姿…
俺たち以外に見せないように
守ってやんねーとな…//」
「うん…//」
**
それから
2時間近くの間
2人で書斎を堪能していると…
バタン…
パタパタパタ…
と、2階から2つの足音が
降りてくる音がする。
「…申し訳ありません(>ㅿ<;;)」
『全然大丈夫です!
あとは全身マッサージだけですし( ˊᵕˋ ;)』
「絶対に代わりの者を寄越しますので(>ㅿ<;;)」
『む、無理しないで大丈夫ですよ( ˊᵕˋ ;)
早くお迎え行ってあげてください!』
少しだけ書斎の扉を開けて
聞き耳を立てると
こんな会話が聞こえ、
先程来た出張サロンの施術者は
帰り支度をして
玄関に向かう。
〇〇も先導するように
向かい、サヨナラをして
鍵をかける。
『………ふぅ……
大丈夫だといいんだけど……』
と、閉じた扉に向かって
独り言を言う彼女に
「ど、どうしたんだい?」
と、書斎から出てリビングから
玄関ホールを覗き込むレン。