第15章 まばゆい
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『じゃあいくね。』
「ああ…」
部屋の扉の前で
振り返って控えめに手を振る〇〇。
『頑張ってね…
応援してる……』
少し名残惜しそうにする〇〇の
腰を抱いて唇を奪う。
『…ンンっ////』
軽く優しいキス。
「……//
あと少しの辛抱だ。
そんな物欲しそうな顔をするな。」
『うん……///
って、物欲しそうな顔はしてないっ( ˵>ㅿ<˵ )』
そう言ってカミュから離れ、
『体には気をつけてね』
ガチャ…
と言い残して
〇〇はカミュの部屋をあとにした。
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廊下を歩き、先ほどの
部屋の前を通るが、
今はもう扉は閉められ、
ST☆RISHだけの声が聞こえる。
(よかった…瑛一に会わなくて済みそう…)
エントランスロビーに到着して、
ほっとしながら
ガチャリ…
と、大きな扉を開けた時
「ーー…しかないだろう…」
「そうだね。
シオンと話をしなくちゃ」
と、HE★VENSの面々と鉢合わせる。
『…っ!!(げっ…)』
全員が一瞬こちらに目をやるが
副業モードの私に関心がない人が殆どで
ササッ…と
玄関前のアプローチ階段を降りようとする〇〇
(声かけないで…声かけないで…(=_=))
呪文のように心で唱えるも、
「〇〇さん!今帰りですか?」
と、瑛二に声をかけられ、
ピタッと固まる体。
「う、うん…まあ…。」
瑛二のほうに向き直りながら
そう答えると、
「だぁれ?知り合い?」
と、聞くのは帝ナギ。
瑛二の腕に抱きついて
警戒しているように見える。
「うん…まあ、
どちらかというと兄さんの知り合い」
その言葉に全員が瑛一の方を見る。
「こんなところで会うとは。
お前とはやはり運命なのかもな」
と、この状況を面白がって
〇〇の方にニヤリと笑みを浮かべる
『だ、だいぶ語弊がありますねぇ…^^
知り合いっていうか、
共演経験があるだけですよねぇ…』
引きつった笑顔でいうと、
「共演?」
と、興味津々なのは桐生院ヴァン。
「そういえば…みたことが……ある。」
と、少し警戒しながら
視線を向けるのは皇綺羅。