第15章 まばゆい
ガチャ…
入った先は
(ミューちゃんの部屋そっくり…
ってことはここ…)
寮内のカミュの部屋。
部屋の真ん中に
テーブルと椅子があって
そこに座るように促される〇〇
「暫くここに居ろ。
少し時間が経てば
あやつ等も居なくなる。」
コポコポと紅茶を注いでくれる
カミュの姿はまるで高貴な執事。
『で、でも…
こ、こんなことして大丈夫なの?
部屋に部外者入れたりして…』
久々のカミュに少し緊張しながらも
彼の立場を心配する〇〇。
「部外者?…
フン…貴様はスーツの仕立て直しも
やっているのであろう?
俺は仕事の依頼をしている…
そうだろう?」
と、いつもの最もらしい言い訳を
つきつけられて、
『あぁ…(なるほど…)』
と、納得する〇〇。
そして
『…って、少し痩せたんじゃない?
本当にお直しする?』
と、ようやくカミュ自身をまじまじと
見つめ、身体を案じる。
「フッ…そうだな。
悪くない。
数着頼むとするか。」
カミュは立ち上がって
〇〇の横側に来る。
〇〇も、座ったまま彼の方に体を向ける。
すると、
跪いて手の甲にキスを落とす。
久々の求愛に
抑えている感情がわっと溢れそうなのを
ぐっと堪える〇〇。
『……//
急にどうしたの……』
「暫く会えていなかったものでな。
貴様からしか得られない栄養を補給している。」
『なっ…なにを……//
(ミューちゃんがヘン!//)』
珍しくデレ全開のカミュに
とまどいつつ
その頭をポンポンと撫でる。
「……////」
暫く〇〇の左掌に頬を擦り寄せ
頭を撫でる手に身を委ねるカミュの姿は
まるで愛らしい猫のようだ。
そして、
「フン……
今日はこれくらいで我慢してやるか。」
と、まるで悪役のようなセリフを呟いて
立ち上がるカミュ。
『…クスッ…(本当に猫みたい…)
…じゃあちょっとだけ採寸するね。』
と、〇〇も立ち上がり、
バッグからいつも持ち歩いている
採寸用の道具を出していく。
「うむ。。」
それから2人で
嶺二や蘭丸の様子について話しながら
言い訳作りを遂行した。