第14章 告白
トキヤside
10公演目2日前
『トッキー…どうしたの?
…また悩み事?』
公演が折り返し地点まで来たところで
久々にトキヤから稽古場に来て欲しいと
呼び出しがあり、部屋に入ると、2人きり。
いつもは沢山の人と音で賑わっている場所が
妙にシンとしていて
自分の心音を大きく感じる。
(なんだかこの感じ…懐かしい。)
学生の時、呼び出されて告白された過去が
脳裏を過ぎって
ブンブンと頭を振って
(まさかね…)と煩悩を消そうとする〇〇
「いえ、…相談ではなく…
もう気づいているかもしれませんが…//」
と、少し言いづらそうに
頬を染めてこちらを見つめるトキヤ。
この枕詞で察してしまうのは
〇〇がそれなりに歳を重ねているから。
『……(ト、トッキーまで!?)』
ドキドキとトキヤの次の言葉を待つ〇〇。
そして、
「私は貴女に好意を持っています。
恋愛禁止なのは理解しています…
が、この感情を抑えられないのです。」
と、ド直球に愛の告白をするトキヤ。
真面目な彼らしい台詞ではある。
『っ〜//(き、きてしまった…//)』
カミュ、レンに続いてトキヤまで……
と、内心動揺している〇〇。
自分の中で答えが出せずにいる問題が
さらに降ってきた感覚で、
大切にしないといけない想いだと理解しつつ、
何もかもぶちまけて
全員に幻滅されてしまえば
この問題も解決するのだろうかと
投げやりになりそうでもあった。
ただ、目の前にいるトキヤはなんとも純粋で
この子を傷つけたくないと思わせる所があり、
悶々とする。
こんなことを長々と考えていると
「…すいません…
困りますよね。
こんなことを言われても…」
と、シュンとした表情になるトキヤ。
その様子に焦った〇〇は、
『こ、好意って…その…
キスしたいとか…イチャイチャしたいっていう…
好意……ですかね。。』
と、念の為、カミュとレンと同じ好きなのかを確認。
「はい。そうです…」
トキヤはシュンとしたまま。
『わ、私もトッキーのことは好き。
だけど、今の舞台が終わるまでは
付き合うとかは考えられない
(誰を選ぶか答えが出せない)から、
返事は舞台が終わってからでいい?」
と、また問題を先延ばしにする〇〇。