第14章 告白
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レンside
8公演目の前日
休憩時間が終わる時間になっても
稽古場に現れないレンを探しに
中庭を訪れる〇〇
「~…」
そこには
2人の掛け合いシーンを
1人で練習しているレン。
陰でそっと見守っていると
足元になにやら
アクセサリー用の小包が落ちている。
それを拾おうとして
頭を壁にぶつけて
ゴンッという音が聞こえる。
その音にレンも〇〇に気がつく。
『痛った…(。-_-。)』
「大丈夫?( ˊᵕˋ ;)」
額を擦る彼女のもとへ
駆け寄るレン。
『あ、…あの、
決して、覗くつもりでは…(>ㅿ<;;)//』
と焦りながら弁解する彼女。
額を押さえる方と逆の手に
見覚えのある包みを見つけ、
「気にしないよ( ¨̮ )
それよりその包み…」
と、心当たりがある様子のレン。
『あ、レンくんのだった?
ここに落ちてて…』
はい と包みをレンに渡す〇〇に、
「それ、レディがもらってくれない?」
と笑顔で言うレン。
そこには迷いのようなものが伺える。
『えっ?』
と、聞き返すと、
「こんな風にバレちゃうと思わなかったけど…
実はレディに贈り物と一緒に
俺の気持ちを伝えようとしてたんだ。」
といつになく真剣な眼差しで
〇〇を見つめるレン。
『気持ち…って…?//』
先日カミュに告白されて以来
気持ちの整理がついていない〇〇は
またもやこんな展開になり、
ドギマギしている。
「…俺と付き合って欲しい。」
レンの情熱的な視線から
目が離せない〇〇は
思わず息を飲む。
『あ…で、でも…
その、気になる人が居るって前……』
空気に飲まれそうになる中、
精一杯、理性的に振舞おうとする。
「……クス……
本当に気づいてなかったの?
俺の気持ち…//」
と、髪をするりと撫でられる。
『……そ、それって…///
(あれ、私の事ってこと!?///
全然分かんなかった…//)』
何となく察した空気を出すと
にっこりと笑って
「……どうかな?
他の3人に取られたくないんだ。」
と、少し垂れた横髪を
耳に掛けられる。
その仕草にドキドキしてしまう。
『………
い、今は舞台に集中したいから…
返事は公演最終日…でもいい?』
それが精一杯の返事だった。