第2章 新しい家
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カミュside
数分前
「うむ。
このサブレ…なかなか美味いな。」
『でしょ~?』
サクサクと菓子を食べる音と
コーヒーをすする音が
心地よく、
思いのほかまったりとしてしまう。
2人きりになったら
色々な方法で嫌がらせをしてやろうと
考えていたが、
何かをする気にならない。
『てかミューちゃん…
2人きりだと意外と紳士だよね///』
と、俺の右肩に
ポスッと
頭を寄りかける〇〇
「俺はずっと紳士だ…//」
『うふふっ♡
…幸せ〜♡』
本当に幸せそうな顔をするこやつが
愛おしくてたまらなくなる。
じりじりと右手を〇〇の
右肩に近づけて
こいつの肩を抱こうとするが…
『そうだっ!』
と、急に立ち上がる。
「どうしたというのだ。」
『皆がお片付けしてる間に
お風呂入ってくる~!
そっちの方が絶対効率いいよね?』
と、こちらを振り返り
俺の同意を求める。
「……ま、まぁ、そうだな。」
というと、
『そうと決まれば
早速行ってくるね!
次ミューちゃんの番だから
用意しててね!
バスローブがよかったら、
ランドリー室にあるからね〜』
とリビングの扉から出てしまった。
「フン…忙しないやつめ…」
と、コーヒーカップに口をつけたとき、
冷静になって考える。
あやつ……今風呂に入ると言ったか……?
ということは、
俺が今あの洗面室の扉を開けたら
あやつは一糸まとわぬ姿…
いや…だが…さすがに人としてそれは……//
クソ…あやつがもう少し警戒でも
してくれれば、
罪悪感なく嫌がらせが出来るというのに。
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蘭丸side
「…というところで、
貴様らが降りてきたのだ。」
ソファで3人仲良く並んで
カミュの話に聞き入る俺ら。
「…お前に罪悪感とかあったんだな。」
「…確かに。
よく待っていてくれたよね。
…っと…それじゃあ行きますか。」
そう言うと、
レンがソファから立ち上がる。
「行くってどこにだよ?」
見上げる俺に
「え?浴室だけど?」
と振り返って
当たり前でしょ?みたいな顔するレン。
「貴様…正気か。」
「バロン達こそ正気?
こういうのは
最初からさも当たり前のように
一緒に入っていれば、
日常になるんだよ?」
と、真顔だ。
こいつすげぇ。