第14章 告白
レンside
ピロン…
通知が鳴り、スマホを見ると
メールの通知バナーに件名が表示されている。
”JOKER TRAP 再公演決定!”
ドラマの台本に目を通していたレンだが、
急に興味のある内容の通知が来て
自分でも驚く素早さで内容を確認する。
ただ詳細をみてみると
主演の4人は変わらずだが、
”ヒロイン役は検討中”とあって、
少し落胆する。
「……はぁ…レディ…」
全然会えてない…
でも、今はSSSに向けて集中しないといけない時期。
ごめんよ…
なんて思いながら
静かに百面相していると
「……」
同室の聖川真斗が
その様子をみて…
「どうした。
悩み事か…」
と、痺れを切らしたように話しかけてくる。
レンは、
「…あ、いやなんでもない。
劇団シャイニングのJOKER TRAP、
再公演が決まったって通達でさ。
ヒロイン役の子が検討中になってるから、
替わるのかな…なんて思ってね。」
少し明るめのトーンで話すと、
「その口ぶりだと…
替わって欲しくないのだな。」
と、核心をつかれて
ドキッとする。
「……まぁ、面白い人だからね。」
と、一言答えて話題を終わらせたいレンだが、
裁縫中の手を止めて
レンに向き直り、
「どんな方なのだ…」
と、尋ねる真斗。
そして、真斗の裁縫セットを見ながら
「……裁縫の名人…かな( ¨̮ )」
ここで、一気に興味が沸く真斗
「なにっ!?…ますます気になるな。」
「クス…俺たちの楽屋に遊びに来ては
4人の会話を楽しみながら
裁縫や編み物をしてた。
ベテランさんだから、
自分の魅せ方なんかも
教わったりして…楽しかったな…」
と、当時を懐かしむような表情。
「魅せ方……
神宮寺にそれを言わせるとは、
本当にすごい方なのだな…」
「まぁね。……
そっちは?
セッシー達との劇…再公演決まったのか?」
肩をすくめて微笑みながら
話題を変えるレン。
「…いや、まだだ。
だが、マスカレードミラージュも
決まったと四ノ宮が言っていたからな。
俺たちの公演もすぐ…」
と、未来に期待を寄せた表情。
「あぁ…もうじき連絡が来るさ。」