第13章 Mighty Aura
**
レッスンルーム
廊下からレッスンルームにまで
瑛一の笑い声が聞こえる。
「兄さん…久々に〇〇さんに会えて
嬉しそう^^」
なんて、微笑ましく
扉の方を見つめる瑛二。
そんな瑛二とは裏腹に
(先程3人で何を話されていたのでしょうか…)
と、頭を悩ませるトキヤ。
(というか、なんの用でこちらに?
副業でしょうか…
それとも事務所移籍?
私のようになにかのレッスンで?)
とトキヤが悶々としていると
「一ノ瀬さんも、
〇〇さんとお知り合いなんですね?」
と、靴紐を結びながら
カラッとした笑顔で問いかける瑛二。
「あ、はい。
舞台で共演しまして、
そこから仲良くさせてもらっています。」
少し他人行儀に話すのは、
恋人であることを悟られないためだ。
「いいなぁ…俺、まだ〇〇さんと
共演したことなくて…
早く、大人になって共演したいって
ずっと思ってたんです…//」
そう言いながら頬を染める彼は
どうやら”姉のような存在”として
好意を持っているわけでは無さそうだ。
「…それは、どうしてです?」
と探りを入れてみるトキヤ。
「内緒ですよ?…
〇〇さん……
兄さんと付き合ってたことがあって…
その時お互い凄く辛そうだったんです。」
と話し始め…
冒頭から
(んなっ…鳳瑛一と付き合ってた!?
……聞いていません。
ほんと、あの人はどれほど私たちに
隠し事をしているのでしょうか…(=_=))
と引っかかる。
「は、はあ…それで?」
「で、俺、その様子を黙って見てるしかなくて
何を言っても子供扱いで…
だから、〇〇さんを幸せにできるような
大人の男になりたいって思ったんです。
〇〇さんて…ほら、
共演者キラーなんて言われてるくらい
モテるから、大人になって共演できたら
もしかして…って思って…
なんて、アイドル失格ですね…//」
と反省しながら照れ笑いをする瑛二。
(すいません。
それに関しては私も言えたことではありません…//)
と俯きながらギリッと唇を噛むトキヤ。
「でも、今はデュエットプロジェクトのことだけ
考えます!
すいません。
変な話しちゃって…」
と言われ、
トキヤもハッとする。
「いえ。
そうですね!
続きをやりましょう!」