第9章 QUARTET NIGHTとの撮影
プロデューサーの声が聞こえた瞬間、
バサッという音と同時に
体が宙に浮く
『ふぁっ!?』
「あらま。」
パッとみると
ミューちゃんにバスタオルを掛けられ
ランランに抱き抱えられている。
「どっ、どうされました!?2人とも!?」
スタッフ一同驚きを隠せないようで
私も
『ふ、ふたりともっ(^^;
どどどうして…』
と、動揺していると
ミューちゃんが
「女性の下着姿を
アイドルがまじまじと見ていた…
なんて、噂されたくないですから。」
と笑顔で答え、
「俺この後用事が出来た。
時間押してっから運んでやるよ。」
と、ランランが血走った目で答える。
『は、はい…
ごめんなさい…//』
怖すぎて、何も言えず固まる私。
スタッフたちもなんとか
自分を納得させ、
「そ、そういうことであれば( ˊᵕˋ ;)」
と、2人を放置する。
この状況で3人っきりは
怖すぎるよぉぉ
けど私には真っ直ぐに控え室に向かう2人に
抗う術などなかった。
**
ガチャ…
2人が速すぎて
誰もスタッフが追いつけず、
控え室に3人だけになる。
ランランは
ソファにそっと私を下ろし、
ガチャンと鍵を閉める。
ミューちゃんは、
掛けてくれたタオルとは別のタオルで
濡れた髪をわしゃわしゃと拭いてくれる。
「…」
「…」
ち、沈黙が怖い……
『あ、あの…』
「うなじ…見せろ。」
ランランが低い声でそういう。
『は、はいっ』
髪を左右に寄せてうなじを
見えやすくする。
「……フッ…
痕にはなっていないようだな。」
ミューちゃんから
少し安堵したような声が聞こえ、
私もホッとする。
「チッ…嶺二のやつ、俺たちをからかっただけか。」
ランランも少し怒りが納まったようで
いつもの声色に戻る。
『俺たちをからかう?』
と、聞くと
「多分この3人の関係に気づいたな。
その上で今日の撮影の後半遊びやがったんだ。
この身体で…」
ランランがするりと指で
私のうなじを撫でる。
『うっ…///』
「しかも貴様…
少し感じてなかったか?」
とミューちゃんにギロリと睨まれる。
『感じるって…そんな…//』
わけないとハッキリ言いたいけど、
上手く誤魔化せない。