第9章 QUARTET NIGHTとの撮影
「そのメイク…可愛いね」
と言いながら
嶺二が誘うように
バスタブに背もたれれていて
『湯上りメイク…って奴らしいよ( ・᷄ὢ・᷅ )』
と私は嶺二の胸に背もたれるようにして
彼の左足の上に座る。
メイクさんが
シュッシュと霧吹きで私の髪も濡らしてくれて
”お風呂でイチャつくカップル”の雰囲気が
自然と深まっていく。
「んもう!そんな顰め面しないで!
こうなっちゃったもんは仕方ないでしょ〜?」
後ろから嶺二が
貴方がそれ言う!?ってことを言ってくるので
右にある嶺二の顔を
首を捻って見つめながら
頬を撫でる振りをして
耳をつねる。
「いたっ!ごめんてば〜(^^;
表情変えずに意地悪するなんて
〇〇ちゃん怖すぎィ
それに、見つめられて
嶺ちゃん一瞬ドキッとしちゃったよ〜」
なんていつもの調子で言ってくるので
『表情かえてないのは
嶺二も一緒でしょ^^
それに、こういうの初めてじゃないんだから
ドキッともしないでしょ。』
とスルーする。
もちろんこのやり取り中も
シャッターは切られまくっている。
……というか集中しなきゃ!
嶺二には腹立つけど仕事だもん。
ちゃんとしなきゃだ。
私は嶺二の方に体を向けて
真っ直ぐ伸ばしていた膝を曲げて
女性らしいS字ラインを際立たせる。
嶺二の鎖骨辺りに頬を当てて
伏し目がちにし、
まるで事後に嶺二に項垂れている彼女のよう。
すると、私の頭を撫でるように抱えながら
前髪の生え際あたりにキスを落とす嶺二。
さすが…私のやって欲しいこと全部やってくれる。
「ねぇ〇〇ちゃん…
もっと大人を出していこうよ。
僕たち…年長組だしさ。」
ヒソヒソと私の頭に顎をのせながら
話し始める。
『言い方…
レディに年齢のこと言うなんて
失礼すぎでしょ。(^^;
…で、なにか案があるの?』
と返答すると、
「えーと…ごにょごにょ…」
と嶺二が耳打ちする。
『えっ!?そんなことしていいの!?//』
小声で驚きながら、
私は嶺二の方を見つめる
図らずも上目遣いの画が撮れてしまう。
「〇〇ちゃんがいいならね。」
とウィンクで返される。
『私は…まぁ、いいけど、
あとで彼氏になんて言われるか…//』